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LGBT当事者の臨床心理士が語る、LGBTのマイノリティ性とは?【大賀一樹さん:前】 | こころの相談ならReme(リミー)

第1回目は、LGBTの当事者で、臨床心理士としても活躍されている大賀一樹さんにお話を伺ってきました。   カウンセラーの仕事だけではなく、LGBTの活動をNPOでもされている大賀さん。   専門家としての一面と、悩みを抱えていた当事者という一面の、二つの側面を持つ大賀さんのインタビューをお楽しみください!     幼少期から自覚していた性の違和感   はじめまして。大賀一樹と言います。いきなりですが、私はLGBTの当事者です。このことは、幼少期からずっと自覚していたんですけれど、なかなか言えずに悩んで、ずっと隠して生きていました。   しかし、カウンセラーになりたいと思った時に、自分自身が隠れて、矛盾した状態で生きるのは、接する子供ですとか大人の方にも失礼だなと思うようになりました。   「自分自身が自分らしく生きられてないのに、その人の自分らしさとか幸せを考えられないんじゃないか」と考えたんです。そして、今ではLGBTであることを公にして活動するに至っています。     学校は嫌い。だからスクールカウンセラーに 臨床心理士・スクールカウンセラーを志したきっかけは、心理学に興味があったというのもあるんですけれど、生きづらさを抱えて生きていたということと、学校の中でいじめにあってきたという経験が背景にありました。   私自身、いじめに遭っていた中で、いじめというのは、その人の中にトラウマを作ったり、あるいは成長の阻害、その人の中の自分らしさや将来、希望を大きく削ってしまうということを感じたんです。   そういうことを無くしたいという気持ちが強くあって、学校という場は嫌いなんですが、あえてスクールカウンセラーという職業を選びました。   自分の中で、まだ学校に対しての色んな思いがあるのは事実です。   しかし、あえてそういった自分があんまり好きじゃない現場で、本当に悩んでいる子供をもし支えることができたら、自分自身の学校に対する価値観も変わっていくかな、という考えで、今の仕事をしています。     幼稚園から始まったいじめ  

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インタビュー:大賀一樹さん | LGBT就活

いじめられるのは嫌だったので、自分を偽って振舞っていました 保育園に入る前、2、3歳くらいの時、周りから自分の行動について「おかしい、オカマっぽい」と言われて、自分は既存の男性の枠には入らないんだなぁと意識するようになりました。そういうふうにいじめられるのは嫌だったので、幼少期から10代にかけて、自分を偽って振る舞うようにしていました。   中学校3年生の時に『3年B組金八先生』というテレビドラマに性同一性障害の役柄が登場したのを見て、性別に違和感があるというところにとても共感しました。その頃は性的指向と性自認の区別がよくわかっていませんでした。だから、男性を好きになった自分は女性じゃなきゃいけないのかな? と思って、16歳くらいからいわゆる異性装、女装をしていました。周りからは変な人だと思われていましたが、そう思われていたほうが、むしろ深くプライベートに侵入されないとわかったので、そういうふうに自分を守っていました。   Xジェンダーという言葉を知って「ああ、これだな」 18歳になって上京して、東京で大学生として過ごし始めたら、髪を染めていても、メイクをしていても、「ちょっと個性的だけどそういう人もいるよね」くらいの感覚で受け入れられるようになりました。 それでも、自分の性自認や性的指向については、男性として男性が好きなのかもわからないし、そもそも男性なの? やっぱり性同一性障害なのかな、とか悩んでいて、大学2年生のときにセクシュアルマイノリティのインカレサークルに入りました。 そこで初めて同い年のFtXの方と出会い、Xジェンダーという言葉を知って「ああ、これだな」っていうふうに落ち着きました。それが21歳の頃です。 サークルの中で、自分はXジェンダーなのかもしれないと打ち明けて受け入れてもらえた経験があったので、自分に自信を持てるようになりました。 それまではやりたいことも決まっていなかったのですが、自分のことについて考え始めたのをきっかけに心理学に興味を持つようになりました。そして、大学院に進んで臨床心理学を学びました。そこで修士課程の同級生や先生方に、サークル以外で初めてカミングアウトしました。自分の性自認について周囲に知ってもらった上で、Xジェンダーや性自認についての研究を2年間していました。  

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